映像制作や演劇の現場における建て込みは、建築現場とは異なるスピード感とフレキシビリティが求められます。
映画やCMの撮影スタジオでの建て込みでは、白ホリゾントや防音スタジオの中に、木製のパネル(大パネル・小パネル)を組み合わせて部屋や街並みを再現します。床のレベル(水平)を取りながらパネルを繋ぎ合わせ、釘やビス、クランプで固定。「人形」と呼ばれる三角の木製控えを裏側に打ち付けて自立させます。建具の建て付け調整や壁紙貼り、塗装などのエイジング加工までを数時間から1日程度の限られた時間枠で一気に仕上げます。
劇場における舞台大道具の建て込みでは、吊り物機構(バトン)との連動や、劇中の場面転換のスムーズさが最優先されます。暗転中の数秒から数分で動かさなければならないセットも多いため、頑丈でありながら軽量、かつキャスターやガイドレールと正確に噛み合う精度が不可欠です。
そして、クランクアップや千秋楽の直後に始まるのがバラシ作業です。次の現場への搬出やスタジオの完全明け渡し時間が迫る中、部材を傷つけずに手際よく解体・トラックへ積み込む作業には、建て込み時以上のチームワークと集中力が注がれます。