血管が傷つき、出血が発生した瞬間、黄色いヘルメットをかぶった幼い少年少女たちが現場へと急行する。彼女たちこそが「血小板」だ。医学的な事実に則り、実際の血液細胞における血小板が一般的な赤血球や白血球よりもはるかにサイズが小さいことから、作中では幼い子どもの姿として描かれている。この巧みな擬人化の妙こそが、視聴者を惹きつける最大の仕掛けだ。
作中における彼女たちの主たる任務は、傷口の修復である。血小板たちは「凝集」と呼ばれる現象を起こし、フィブリンという網状のタンパク質を巧みに繰り出しながら血栓を作り上げていく。大きな工事資材を一生懸命に運ぶ姿は一見すると愛くるしい日常風景のようだが、描かれている現象は命を維持するための切実な生物学的大工事だ。この「見た目の愛らしさ」と「泥臭くプロフェッショナルな仕事ぶり」のギャップが、世界的な人気の源泉となっている。