本州では体を洗うタワシのイメージが強いかもしれないが、南国・沖縄において「へちま(ナーベラー)」は、暑い夏を乗り切るための極めてポピュラーな緑黄色野菜として愛され続けている。繊維が硬くなる前の若い果実を収穫し、皮をむいて加熱すると、まるでナスのようにトロリとした滑らかな食感へと変貌を遂げる。
ナーベラーから染み出す水分には自然な甘みと旨味が溶け込んでおり、豚肉や島豆腐とともに赤味噌で煮込む「ナーベラーンブシー」は家庭料理の代表格だ。余分な水を加えず、へちま自体の水分で蒸し煮にすることで、野菜本来の瑞々しさと味噌のコクが絶妙に融合する。
ビタミンやミネラル、食物繊維をバランスよく含むへちまは、近年では沖縄県外のオーガニック市場や都市部のマルシェでもその栄養価が再評価されており、家庭の夏の常備野菜としてじわじわと定着しつつある。