直腸がんの治療において、病変が肛門に非常に近い場合、肛門括約筋を切除して永久ストーマ(人工肛門)を造設したり、術後の縫合不全を防ぐために一時的ストーマを造設したりすることがあります。
ストーマの造設は患者にとって心理的ハードルが非常に高い手術ですが、桑野信義さんをはじめとする著名人がそのリアルな日常を公表したことで、社会的な理解と患者への支援意識が大きく前進しました。
桑野さんは、パウチ(便を溜める装具)の交換手順や皮膚トラブルへの対処、外出時の工夫などを包み隠さず発信。「最初はショックだったが、命を繋ぐための相棒だと思えるようになった」と語り、ストーマを装着した状態でのリハーサルや本番ステージを見事に成功させました。
現在流通しているストーマ装具は防臭性・密閉性・追従性に極めて優れており、洋服の上から外見で判別されることはほぼありません。入浴やスポーツ、旅行も問題なく行えるよう設計されており、オストメイト(ストーマ保有者)が術前と変わらぬ生活の質を維持しながら社会復帰できる環境が整っています。