規制が厳格化する以前の昭和から平成にかけては、自由でユーモラス、時には映画のようにドラマチックな名作CMが数多く制作されました。歴代懐かしいお酒のCMを振り返ると、日本の広告史そのものが見えてきます。
昭和の時代を象徴するのが、サッポロビールの「男は黙ってサッポロビール」(三船敏郎)や、サントリーの「すこし愛して、ながく愛して」(大原麗子)です。短いフレーズの中に人生の機微や色気が凝縮されており、社会現象となる流行語を次々と生み出しました。
平成に入ると、サントリーモルツの「うまいんだな、これがっ」(萩原健一・和久井映見)や、サントリーオールドの哀愁漂うバーの人間模様など、日常のささやかな幸せに寄り添う作品が増加。さらに、タコのアニメーションが印象的だったサントリー樹氷のCMなど、サブカルチャーと融合した斬新な企画も話題を呼びました。
令和の現在では、派手な演出よりも「自分らしく過ごす時間」「心地よい食卓」といったパーソナルなリラックス感を重視するトーンへと移行しており、時代の価値観がそのまま映像に反映されています。