音楽ナタリー等の公式報道資料や番組関係者への取材によると、紅白歌唱曲のラインナップは、各アーティストのキャリアや今年の音楽シーンを象徴する楽曲で緻密に固められています。単なる最新曲の披露にとどまらず、過去の名曲をアップデートした特別バージョンや、異色のコラボレーションが目玉として配置されるのが近年の決定的なトレンドです。
たとえば、福山雅治が披露した『木星 feat. 稲葉浩志』(映画『映画ラストマン -FIRST LOVE-』主題歌)のように、日本を代表するトップランナー同士の共演楽曲は、テレビメディアならではのプレミアム感を強烈に打ち出しました。また、圧倒的なストリーミング再生数を誇るVaundyが過去の代表曲『踊り子』や最新ヒットを織り交ぜてステージを構築するように、デジタル発のアーティストが自らの世界観をNHKホールに完全再現する事例も定着しています。
アーティスト側が「最新シングル」ではなく「数年前のバイラル曲」や「特別メドレー」を選択する背景には、コアファンだけでなく普段音楽番組を能動的に観ないライト層やシニア層の視聴者を一瞬で引き込むという明確な演出意図が存在します。