紅白歌合戦における大物アーティストの出演を巡っては、インターネット上で「完全な事前収録ではないのか」「別撮りのVTRを流しているだけではないか」といった憶測が飛び交うことが少なくありません。しかし、過去の公式発表や舞台裏の制作レポートに照らし合わせると、多くのケースで「完全生中継」が敢行されています。
2018年の大塚国際美術館からの歌唱時、司会の内村光良や櫻井翔とのリアルタイムな掛け合いの中で見せた、米津玄師自身の「この場を用意していただいたすべての方に感謝したい」という飾らない言葉と息遣いは、生中継ならではの緊張感と温度感を如実に示していました。
もちろん、アーティストの世界観を忠実に再現するために、事前に入念なライティングテストや音響チューニング、回線テストが数日間にわたって繰り返されます。外部会場からの生中継には天候や電波障害といった莫大な技術的リスクが伴いますが、NHKの技術陣とアーティスト側の妥協なき連携によって、生放送でありながらスタジオ収録以上のクオリティが担保されているのが実態です。