戸田恵梨香のビジュアルの変化を正しく理解するには、デビュー当時から現在に至るまでのキャリアの歩みと体型の推移を時系列で整理する必要があります。彼女のキャリアは、外見の美しさを消費されるアイドル的ポジションから、魂を削って役を生きる本格派女優への脱皮の歴史そのものでした。
大ブレイクのきっかけとなった2006年の映画『デスノート』で弥海砂(ミサミサ)を演じた当時、彼女はまだ10代後半でした。トレードマークのツインテールにゴシックロリータの衣装を身にまとった姿は、頬にほどよいふくらみがあり、十代特有のみずみずしい健康美に満ちあふれていました。当時のプロフィール上の公称身長は164cm、推定体重は48kg〜50kg前後とみられ、標準的なBMI(約18〜19)の範囲に収まる理想的なプロポーションでした。
空気が一変したのは2009年から2012年にかけての時期です。『LIAR GAME(ライアーゲーム)』シリーズや『SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜』など、主演級のハードな作品が立て続けに撮影されていた頃、画面に映る彼女の輪郭は劇的に細くなり始めました。首筋の筋が浮き立ち、鎖骨が深くくぼみ、手足の細さが際立つビジュアルに対して、視聴者からは「やつれて見える」「激痩せしてしまったのではないか」という戸惑いと不安の声が急速に広がっていきました。
さらに2019年度後期のNHK連続テレビ小説『スカーレット』では、10代から50代までの女性陶芸家・川原喜美子の生涯を演じ切るため、年代ごとの徹底した肉体改造を敢行。撮影期間中に体重を数キロ単位で緻密に増減させるなど、彼女の身体は常に役柄のリアリティと過酷な現場の負荷にさらされ続けていたのです。