数ある噂の中でも、特に有名なのがエレベーターにまつわる怪談だ。深夜の閉店間際、あるいは早朝の準備時間帯に、誰も乗っていないはずのエレベーターが特定の階で停止し、ドアが開くという。その階とは、かつての火災で多くの犠牲者が出たフロアと重なると言われている。
また、店舗のスタッフや深夜の警備員の間でも、奇妙な足音や、誰もいないはずの売り場から聞こえる衣擦れの音を聞いたという体験談が、まことしやかに語り継がれている。もちろん、これらはビル管理のシステムエラーや、広い店内特有の反響音として説明がつくかもしれない。だが、歴史を知る者にとっては、それが単なる機械の誤作動とは思えない響きを持っているのだ。