池田勇人の実際の発言は、「所得の少ない方は麦、所得の多い方は米を食うというような経済原則に沿ったほうへ持っていきたい」という趣旨だった。当時のマスコミによって過激に要約されたわけだが、本質は同じだ。市場原理に食の質を委ねるという姿勢である。
それから70数年。2026年の日本は、円安の長期化と世界的な気候変動による穀物価格の上昇が直撃している。かつては「誰もが当たり前に食べられた白いご飯」が、今や一部の層にとっての「贅沢品」になりつつある。経済的な格差が、そのまま主食の格差へと直結する時代が再び幕を開けたのだ。