華族の末裔はなぜ今も金持ちか?特権喪失後に莫大な富を残した全真相

華族の末裔はなぜ今も金持ちか?特権喪失後に莫大な富を残した全真相

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敗戦直後の日本を襲った経済的激震は、旧華族にとって文字通りの壊滅劇だった。最高税率90パーセントに達する財産税の導入、農地改革による不在地主からの農地強制買収、そしてインフレーション。大半の公爵・侯爵家は、かつて誇った広大な庭園や邸宅を維持できず、次々と手放していった。旧華族の没落を描いた経済ノンフィクションの多くは、この時期の悲惨な没落劇を克明に記録している。

だが、すべてが消え去ったわけではない。危機を察知して先手を打った家筋が存在した。彼らは財産税の網をかいくぐるべく、個人名義の資産をいち早く法人化や財団化へと移行させた。岩崎家が率いた三菱財閥や、海運の覇者となった日本郵船など、近代日本の基幹産業を創り上げた旧財閥系華族は、企業群の株式を強固な持株構造の中に巧みに分散させたのだ。

紙屑同然となった旧通貨に見切りをつけ、現物資産やインフラ企業の株式へとポートフォリオを組み替えた先見性。日本近代史の転換点において、冷徹な資本家としての資質を備えていた旧家だけが、戦後という荒波の底をすり抜けた。

山下 哲也
著者

山下 哲也

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。