業界内では長年、「水谷豊と趣里は共演NGなのではないか」という噂が実しやかに囁かれてきました。テレビ朝日の看板ドラマ『相棒』シリーズをはじめ、水谷豊が主演や監督を務める映画作品において、趣里のキャスティングが浮上しては立ち消えになっていたからです。
しかし、取材関係者の証言を総合すると、この共演見送りの背景には「不仲」や「確執」といったネガティブな要素は一切存在しません。むしろ、徹底して娘の自立を最優先に考えた水谷豊の深い親心と、親の威光を借りずに一本立ちしようとする趣里の矜持が最大の理由でした。
趣里はデビュー当初、両親が所属する事務所ではなく、自らの足でオーディションを受け、演技派俳優を多数擁するトップコートに所属を決めました。オーディションでは両親の名前を一切明かさず、実力だけで役を勝ち取っていったのです。水谷豊自身も周囲のプロデューサー陣に対し、「娘を自分のバーター(抱き合わせ)で出演させるようなことは一切しないでほしい」と厳格に伝えていたと報じられています。
安易に共演すれば、世間から「親のコネ」「話題作り」と色眼鏡で見られ、趣里が積み上げてきた努力や評価を損ないかねません。あえて距離を置き、仕事の現場を交わらせないという選択は、互いを一人の独立した表現者として尊重し合うプロ同士の紳士協定だったと言えます。