絵本『michi』は、新世代の旗手として国内外から熱い注目を集める画家・junaida氏が描き下ろし、数々の名作を世に送り出してきた福音館書店から出版された大型絵本です。本作の最大の特徴は、ストーリーを説明するテキストが一切存在しない「文字なし絵本」である点にあります。
あらすじを言葉で要約するなら、それは「一本の道を旅する物語」です。真っ白な画面の中央に描かれた一本の細い道(michi)。その道を、青いコートを着た男の子と、赤い服を着た女の子が、それぞれの出発点から歩き始めます。道は奇妙な建造物が立ち並ぶ街、巨大な樹木が生い茂る森、巨人の背中の上、夜空に浮かぶ空中回廊へと続き、旅人は目を見張るような不思議な景色の中を進んでいきます。
テキストによる誘導がないため、読者は絵の中にある看板、行き交う奇妙な生き物たちの表情、建物の窓の奥に広がる生活など、すべての情報を自らの目で観察し、自由自在に物語を紡ぎ出すことができます。読むたびに新しいストーリーが立ち現れる贅沢な読書体験こそが、本作の真骨頂です。