『366日』のアイデンティティを決定づけているのが、幕開けの寂寥感をかき鳴らすイントロです。市販のHY 366日楽譜やバンドスコアを紐解くと、ピアノとストリングスが複雑に絡み合っているように見えますが、独奏や弾き語りの骨格はきわめて洗練されたコードトーンの分散で構成されています。
366日イントロ弾き方をギターで再現する際、ストローク(ジャカジャカとストロークする奏法)で入ってしまうと、曲が持つ儚い空気感が一瞬で崩れ去ってしまいます。Capo 1を装着したKey Gの状態で、親指が「6弦(または4弦・5弦のルート音)」を確実に捉え、人差し指が3弦、中指が2弦、薬指が1弦を担当する「スリーフィンガーあるいはフォーフィンガーのアルペジオ」を徹底してください。音を強く弾きすぎず、指の腹を使って少し丸みのある柔らかなトーンを響かせるのが、HYの原曲テクスチャに近づけるポイントです。
一方、366日ピアノコードでイントロを奏でる場合は、左手のオクターブベースの重厚さと、右手の中音域におけるアルペジオの音量バランスが命鳴を分けます。特に注意すべきはサスティンペダル(ダンパーペダル)の踏み替えタイミングです。コードが変わる瞬間にペダルを踏み替えないと、低音の濁りによって仲宗根泉特有の澄んだ哀感がかき消されてしまいます。「小節頭の打鍵と同時に踏み替え、音の濁りをリセットする」ペダリングの習慣を身体に染み込ませてください。