日曜夜の概念を根底から覆したのが、TBSテレビが満を持して世に放った『VIVANT』である。枠を象徴する看板枠「日曜劇場」の威信をかけ、演出の福澤克雄が長年温めてきた構想を具現化した本作は、もはや連続ドラマの枠組を遥かに超越していた。主演の堺雅人が見せた二面性ある圧巻の演技力、阿部寛や二宮和也、役所広司ら主役級キャストが惜しげもなく並び立つ重厚なアンサンブルは、視聴者を圧倒し続けた。
特筆すべきは、放送開始までストーリーの詳細を完全に伏せるという前代未聞の戦略だ。情報過多な世の中で「何も知らない状態で目撃する」という体験そのものがプレミアムな価値を生んだ。モンゴルの雄大な砂漠で2か月半にわたり敢行されたロケ映像は、映画館のスクリーンで見劣りしないスケール感を誇り、毎週日曜の夜を国民的イベントへと昇華させた立役者となった。