主演に抜擢されたゼンデイヤ(Zendaya)と、企画の起点でもあるエイベル・テスファイことザ・ウィークエンド(The Weeknd)。二人が織りなす力関係は、これまでのスクリーンでは見られなかった異様な熱量を帯びている。インタビュー取材に対し、ゼンデイヤは現場での張り詰めた心理戦をこう振り返った。「愛のために死ねると口にする人間が、実際にどれほど恐ろしい怪物を飼っているのか。私たちはその境界線を毎日探り合っていた」。
本作の骨格をなすのは、甘美な罠が張り巡らされたロマンティック・サスペンス(Romantic Suspense)だ。ザ・ウィークエンドは、自身の楽曲に宿るダークな情緒をそのまま演技へと昇華させ、破滅へと向かう男の脆さを生々しく体現する。「歌うことと演じることに壁はなかった。自分自身の最も暗い感情をフィルムに焼き付けただけだ」と彼は語る。