『仮面ライダーフォーゼ』の物語を語る上で欠かせないのが、物語中盤から登場した2人目のライダー、朔田流星(仮面ライダーメテオ)を演じた吉沢亮との共演です。熱血漢で誰とでも友達になろうとする弦太朗に対し、冷静沈着で目的のために周囲を欺く冷徹な一面を持つ流星という、完全なる対比構造がドラマに重厚なサスペンスと熱い絆をもたらしました。
当時の撮影現場において、2人はまさに寝食を共にする戦友でした。東映東京撮影所(大泉)での過密なスケジュールの中、空き時間にはセリフの掛け合いを繰り返し、アクションシーンの呼吸を合わせていきました。インタビューなどでも福士蒼汰は「お互いに人見知りなところがあったけれど、作品を通じて特別な信頼関係が築けた」と語っており、吉沢亮もまた「蒼汰の真っ直ぐな演技に引っ張られ、刺激を受け続けた」と明かしています。
劇中屈指の名場面とされる第31話・第32話での弦太朗と流星の激突、そして真の友情の芽生えは、2人の若い俳優が本気でぶつかり合ったからこそ生まれた特撮史に残るエモーショナルな名シーンです。後に日本アカデミー賞をはじめとする数々の映画賞を席巻し、大河ドラマ主演やトップランナーへと飛躍する2人の天才が、10代の多感な時期に同じ現場で泥にまみれながら切磋琢磨した事実は、日本エンタメ界における奇跡的な巡り合わせでした。