インド大反乱を語る上で欠かせない象徴的英雄が、中部インドの小王国ジャーンシーを率いた王妃ラクシュミー・バーイーです。「インドのジャンヌ・ダルク」とも称される彼女は、イギリスの「失効の原則」によって愛する祖国の併合を一方的に通告され、主権を奪われていました。
反乱軍がジャーンシーに迫ると、彼女は自ら甲冑を身にまとい、愛馬の手綱を口にくわえて両手に刀を握り、先頭に立ってイギリス軍に立ち向かいました。幼子を背中に背負いながら城壁を突破し、最後まで勇猛果敢に戦線を維持した彼女の姿は、敵であるイギリス軍の将校からも「反乱軍の中で最も危険で、最も勇敢な指導者だった」と賞賛されるほどでした。
1858年6月、グワーリヤルの戦いでラクシュミー・バーイーは20代半ばの若さで壮烈な戦死を遂げましたが、彼女の不屈の闘志は後世のインド独立運動において最大の精神的支柱として語り継がれることになります。