メディアが私たちの「異文化理解」のあり方を塗り替えている。代表的な例が、Netflixで配信され世界的ヒットを記録したドキュメンタリー番組『Street Food: Asia』だ。屋台の熱気と色鮮やかなスパイスの映像は、視聴者の視覚だけでなく嗅覚の想像力までも強烈に刺激した。
また、YouTubeなどの動画共有プラットフォームでは、インドのストリートフードや日常を切り取った動画が爆発的な再生回数を稼いでいる。カメラ越しに伝わる油の跳ねる音や香辛料の煙は、エキゾチックな魅力として受け取られる一方で、時に過剰なステレオタイプを強固にする側面も併せ持つ。画面を通じて触れる刺激的な食文化のイメージが、人々の「におい」に対する先入観を増幅させている側面は否定できない。