クパチーノに拠点を置くApple Inc.は、当初から不要なタスクキルを行わない設計を貫いてきた。同社のソフトウェアエンジニアリング担当シニアバイスプレジデントであるクレイグ・フェデリギ氏は、かつてユーザーからの質問に対し「アプリの終了はバッテリー寿命に貢献しない」と明確に回答している。ティム・クックCEOが率いる体制下でも、この基本哲学は微塵も揺らいでいない。
基盤となるiOSのマルチタスク(Apple Multitasking)は、一般的なPCとは根本的に異なるアーキテクチャを持つ。ユーザーが別のアプリに切り替えた瞬間、直前まで動いていたアプリは即座に「フリーズ状態(凍結)」へと移行する。このとき、アプリはシステムリソースを消費せず、RAM(Random Access Memory)上に静止した状態で保持される。独自の洗練されたRAM管理アルゴリズムがメモリの割り当てを自律制御するため、モバイルオペレーティングシステム(Mobile OS)自身に処理を委ねるのが最も省電力かつ高速な状態を維持できる。