大人や子どもを問わず、側転の習得を阻む最大の障壁は「逆さになって頭から落ちるのではないか」という本能的な恐怖心です。側転の恐怖心克服方法として最も効果的なのは、空間認知を段階的に書き換えるステップワークです。
体育授業の指導案でも採用されているのが、障害物や壁を活用したプログレッシブ・トレーニングです。まずは跳び箱やベンチに両手を置き、カエルのように左右へ小さく飛び越える「カエル跳び」から開始します。重心を両腕に乗せる感覚を脳にインプットしたら、次に側転の壁を使った練習ステップへ移行します。
壁から約30cm離れた場所に手を置き、壁にお腹側ではなく「背中側」を向けた状態でキックアップし、足の裏を壁に沿わせながら横へ移動させるドリルを行います。壁という物理的セーフティネットがあることで、脳の防衛反応が解除され、骨盤を立てて足を高く振り上げる感覚を安全に体感できます。