じゃがいも栽培における最大の技術的罠が「肥料の過剰散布」です。良かれと思って牛糞堆肥や窒素肥料を大量に投入すると、地上部の茎葉ばかりがジャングルのように巨大化し、肝心の芋が一切肥大化しないつるぼけが発生します。
肥料の与え方と追肥の基本配分は、元肥控えめ・追肥重点です。元肥には、窒素・リン酸・カリが等量含まれる化成肥料(8-8-8)を平米あたり50g程度に抑えて施用します。じゃがいもの芋形成において最も消費されるミネラルはカリ(加里)であり、窒素の1.5倍以上のカリを必要とします。
追肥は前述した「土寄せ」と完全に連動させます。
- 1回目の追肥(芽かき・第1回土寄せ時):株間に化成肥料を平米あたり約20〜30gパラパラと散布し、土と混ぜ合わせながら株元へ寄せる。
- 2回目の追肥(着蕾・第2回土寄せ時):同様に20g程度を施用。この追肥がストロン先端の肥大成長を強力に後押しする。
開花期を過ぎてからの遅延施肥は、収穫時の芋のデンプン価を低下させ、貯蔵中の腐敗を誘発するため厳に慎まなければなりません。