日本テレビ系で1971年2月から1972年2月まで放送された青春ドラマ『おれは男だ!』は、松竹のホープとして映画界で活躍していた森田健作が主演を務め、茶の間を席巻した伝説の作品です。物語は、女子生徒が圧倒的多数を占める青葉高校へ転校してきた熱血漢・小林弘二(演:森田健作)が、廃部寸前のおれは男だ 剣道部 ドラマの軸となる男子剣道部を立ち上げ、吉沢京子演じる吉川操率いるバトン部と激しく対立しながらも成長していく青春群像劇でした。
実は、ドラマ放映開始当初のオープニング曲は別の楽曲(『男なら気にしない』)でした。しかし、物語の展開と森田健作のひたむきなキャラクターの深化に伴い、劇中挿入歌として制作されたのが『さらば涙と言おう』です。当時の制作陣や音楽関係者の証言によると、視聴者からの「あの挿入歌は誰の何という曲なのか」「レコードとして発売してほしい」という問い合わせがテレビ局やレコード会社へ殺到。その熱狂的な反響に応える形で、1971年10月にシングル盤として正式リリースされるや否や、瞬く間にチャートを駆け上がりました。
作詞を手掛けたのは、後に昭和歌謡界の巨人となる阿久悠、作曲はビート感あふれるGSサウンドや歌謡ポップスで一世を風靡した鈴木邦彦です。当時まだ気鋭の作詞家として頭角を現しつつあった阿久悠は、単に「泣くな、男らしくあれ」と命じる旧来の男尊女卑的なメッセージを拒破。「涙を流すこと自体を否定せず、その悲しみに別れを告げて再び立ち上がろう」という、内省的かつ力強い詞世界を構築しました。この新しい時代の男性像・青春像が見事に視聴者の琴線に触れ、森田健作 青春ドラマ 代表曲としての地位を不動のものにしたのです。