Q1:フォービズムはなぜわずか3年ほどで解散・終了したのですか?
A1:明確なマニフェスト(綱領)を持った組織ではなく、若手画家たちが「色彩の解放」という共通の初期衝動で一時的に結びついていた運動だったためです。原色による感情表現を極めた後、マティスは装飾性と調和の探求へ、ドランやヴラマンクはセザンヌ的な形態構築や古典主義へとそれぞれ独自の道を選び、自然な形で発展的解消を遂げました。
Q2:日本国内でフォービズムの代表作を鑑賞できる場所はありますか?
A2:東京都中央区のアーティゾン美術館(旧ブリヂストン美術館)や上野の国立西洋美術館、箱根のポーラ美術館、ひろしま美術館などに、マティスやドラン、ヴラマンクの貴重なオリジナル油彩画が常設・企画展示されています。また、大原美術館(岡山県倉敷市)でも質の高いフォービズム関連コレクションを見ることができます。
Q3:フォービズムとドイツ表現主義(Expressionism)は何が違うのですか?
A3:ほぼ同時期に発生し、原色を用いた激しいタッチという共通項がありますが、目指した精神性が異なります。フォービズムが「色彩そのものの美しさや生命の喜び、純粋な視覚的調和」を追求したのに対し、キルヒナーらドイツ表現主義は「近代都市の不安、人間の苦悩や社会的疎外感、内面の闇」を鋭く告発・表出することに重きを置きました。
Q4:日本の洋画界にもフォービズムの影響を受けた画家はいますか?
A4:大正期から昭和初期にかけて極めて強い影響を与えました。特にヴラマンクに直接師事した佐伯祐三や里見勝蔵、力強い筆致で知られる萬鉄五郎(よろず・てつごろう)の『裸体美人』(1912年)などは、日本的フォービズムの最高峰として重要文化財に指定されています。