並木万里菜のキャリアを語る上で欠かせないのが、テレビ朝日の代名詞とも言える音楽番組『ミュージックステーション』でのサブMC時代だ。数多のトップアーティストが生演奏を繰り広げるスタジオは、一瞬のミスも許されない異様な緊張感が漂う場所。そこで彼女は、長年司会を務めるタモリの隣で持ち前の明るさと鋭い観察眼を発揮した。
台本通りに進めるだけでは決して成立しない阿吽の呼吸。タモリ独特の脱力感と深い洞察に満ちたやり取りから、彼女は「間」の美学と予定調和を崩す面白さを徹底的に吸収していく。大物ミュージシャンの素顔を自然体で引き出すインタビュー力は、単なるアシスタントの枠を超え、番組のグルーヴを生み出す不可欠なピースとなっていた。