厚生労働省が実施する「乳幼児身体発育調査」のデータによると、乳児が寝返りをするようになる時期は生後5ヶ月〜6ヶ月頃が全体の半数以上を占めています。生後3ヶ月から4ヶ月未満で寝返りを完了する赤ちゃんは全体の約5〜10%程度と少数派であり、多くの親が「早すぎるのではないか」と驚くのは極めて自然な反応です。
生後3ヶ月という早期に寝返りが起きる背景には、主に2つのメカニズムが存在します。1つは、下半身のキック力や体幹の筋肉が早期に発達し、自力で腰をひねる協調運動ができるようになったケースです。そしてもう1つ、現場の小児科医が頻繁に指摘するのが「背中の強い反り返り(背筋の緊張)」による偶発的な寝返りです。
生後3ヶ月頃の赤ちゃんは、まだ頸部(首まわり)の筋肉が未完成で、完全に首がすわりきっていないことが少なくありません。機嫌が悪くて泣いているときや、何かに反応して体を弓なりに反らせた際、頭の重みと背筋の反動が偶然合わさってゴロンと体が回転してしまう現象が多発します。これは意図的な運動というよりも、物理的なバランスの偏りによって生じる「転がり」に近い状態です。
首すわり前に寝返りをしてしまうと、うつ伏せになった際に自力で頭を持ち上げて気道を確保することができません。顔が布団に埋もれてしまっても自力で回避できないため、この時期の寝返りは一般的な月齢の寝返り以上に厳重な警戒が必要となります。