2026年にスタートしたボーイズグループオーディション『THE FIRST』は、従来のオーディション番組の常識を鮮やかに覆した。志願者を競わせ、蹴落とし合う演出は一切排除された。代わりに提示されたのは、参加者同士がリスペクトし合い、自らの音楽性を高め合う「育成と共創」の場だった。
ボーイズグループオーディションといえば、過剰なドラマ性や涙の演出で視聴者の情動を揺さぶる手法が主流だった。しかし、日高光啓が求めたのは本質のクオリティだ。「クリエイティブファースト」「クオリティファースト」「アーティシズムファースト」という三つのスローガンのもと、1億5000万円という私財を投じて開始されたこの試みは、参加者たちの本気の才能を引き出し、見る者の胸を激しく打った。