終活の議論で欠かせないのが、高齢化に伴う判断能力の低下対策だ。特に二人暮らしの夫婦では、一方が認知症を発症した際、もう一方が介護負担と財産管理の二重苦に直面するリスクが高い。
公的な支援策として「成年後見制度」が存在するが、家庭裁判所が関与するため柔軟な資産運用や柔軟な処分が難しく、毎月の報酬が発生し続ける側面がある。家庭の事情に応じた自由度の高い管理を望む場合、近年急速に普及しているのが「家族信託」だ。
家族信託を活用すれば、受託者に指定した人物に実質的な管理権限を移行できるため、本人の判断能力が低下した後も自宅の売却や施設入居費用の捻出がスムーズに行える。成年後見制度と家族信託それぞれの強みを理解し、夫婦のライフプランに合わせて併用することが、老後の暗雲を払う決定打となる。