個人の脳内で起きる化学変化は、現代社会のビジネス構造と恐ろしいほど噛み合ってしまっている。書籍『監視資本主義: デジタル社会がもたらす光と影』が警鐘を鳴らしたように、巨大IT企業は人間の報酬系回路をハックするアルゴリズムを日々研ぎ澄ませている。
NetflixをはじめとするストリーミングサービスやSNSの自動再生、無限スクロール機能。これらは脳に「次に何が来るかわからない」というランダムな報酬予測を与え、ドーパミン分泌を最大化するよう精密に設計されたシステムだ。話題を集めた数々の科学ドキュメンタリーでも告発されている通り、私たちの注意関心は今や採掘対象の資源となり、ドーパミン回路はその集掘口として利用されている。