絵画の世界へ足を踏み入れる決定打となったのが、日本芸術界の巨人・岡本太郎から贈られた「君はキャンバスからはみ出している」という強烈な賛辞だった。自らの表現に自信を持てずにいた無名の青年は、この言葉によって決定的な覚醒を果たす。「うまく描く必要はない、己の魂をぶつければいい」。その教えは今も彼の血肉となっている。
同時に、若き日に身を置いた吉本新喜劇の舞台で培われた舞台度胸と嗅覚も、作品作りの重要な根幹だ。吉本興業という独特のカルチャーの中で磨かれた身体感覚とユーモアのセンスは、無機質な現代アートとは一線を画す、圧倒的な人間臭さと親しみやすさをキャンバスにもたらしている。