ヘアデザインの歴史を紐解けば、1960年代にヴィダル・サスーンが打ち出した幾何学的なボブカットがすべての原点にある。骨格に合わせて髪を構築する建築的な思想は、いまも現代のスタイリストたちにとっての不変のバイブルだ。
Netflix『クィア・アイ』のような人気変身ドキュメンタリーでも度々描かれるように、ヘアスタイルを刷新することは単なる外見の変更にとどまらず、個人の自信や内面を解き放つ力を持つ。かつて確立された厳格なカット理論に、現代の日本人が好む柔らかさや浮遊感を掛け合わせたハイブリッドなカット技法こそが、いまのトレンドを支える屋台骨となっている。