2004年1月期に放送された『プライド』は、脚本家・野島伸司が手掛けたスポ根ラブストーリーの傑作です。実業団アイスホッケーチーム「ブルースコーピオンズ」のキャプテン・里中ハルを演じた木村拓哉と、海外留学した恋人を待ち続ける「古き良き時代の女」村瀬亜樹を演じた竹内結子のコンビネーションは、初回から爆発的な人気を獲得しました。
特に視聴者の記憶に鮮烈に残っているのが、物語の転換点となったリンク上や橋の上でのキスシーンです。スポーツマンとしての強靭さと脆さを併せ持つハルが、亜樹の澄んだ眼差しと包容力に触れて心の鎧を脱いでいく描写は、竹内結子の繊細な表情演技と木村拓哉の圧倒的なカリスマ性が重なり合って成立した奇跡的な映像美でした。「maybe」「must be」という口癖の掛け合いは、当時の若者たちの間で大きなブームとなりました。
しかし、その華やかな映像の裏側には過酷極まりない撮影秘話が存在します。氷上での撮影は深夜から早朝に及ぶことが日常茶飯事であり、木村拓哉は吹き替えなしでプロレベルのスケーティングを習得するため、身体中にアザを作りながら練習を重ねていました。そんな極限状態の現場において、竹内結子の凛とした佇まいと周囲を包み込むような明るい笑顔は、キャスト陣やスタッフ全員の精神的支柱となっていました。当時の現場スタッフへの取材記録によると、木村拓哉は過酷な氷上ロケの合間にも竹内結子の体調を常に気遣い、二人は寒冷のリンクサイドで笑い合いながら過密日程を乗り切ったと伝えられています。