副業を探る調査の現場や人事労務の現場において、会社に副業がバレる決定的な理由は極めて限定されています。抜き打ちの身辺調査が行われるわけではなく、日常的な業務フローのなかで「不自然な数字」や「噂話」として浮上するケースがほとんどです。
なかでも圧倒的な割合を占めるのが、毎年5月から6月にかけて各企業の人事・経理担当者に届く「住民税決定通知書」です。会社員の場合、住民税は本業の給与から毎月天引きされる「特別徴収」という仕組みがとられています。副業で得た所得が合算されて自治体から会社へ通知されると、同僚や同じ給与水準の社員に比べて住民税の額が不自然に高額になり、担当者に「給与以外の所得がある」と一目で把握されてしまいます。
また、秋から冬にかけて行われる年末調整での副業発覚ルートにも注意が必要です。年末調整はあくまで「本業の会社から支払われた給与」を精算する手続きであり、副業の所得を会社に申告する場ではありません。それにもかかわらず、配偶者控除や基礎控除の書類に副業分の所得を誤って記入してしまい、自ら発覚を招くケースが後を絶ちません。
さらに見過ごせないのが「人間の心理と自己顕示欲」です。国税庁OBの税理士や企業の労務担当者に取材すると、同僚との飲み会でのポロッとした漏らし言葉や、SNSでの収益自慢、社用PCや私用スマホを就業時間中に操作していた目撃情報が、密告や内部通報の発端となる事例が依然として目立ちます。