検索エンジンの画面から一度目を離し、街の匂いと風景に身を委ねてみるのも悪くない。人気ドラマ『孤独のグルメ』で松重豊が演じる井之頭五郎のように、自分の直感だけを頼りに未知の扉を開く快感は格別だ。
名店を見分けるサインは、店構えの細部に宿っている。手書きの日替わりメニューに並ぶ魚の産地、美しく拭き清められたガラス扉、そして厨房から漂ってくる丁寧にとられた出汁の香り。これらが揃っている店にハズレはない。
メニュー数が絞り込まれている店も狙い目だ。あれもこれもと欲張らず、看板料理のクオリティに全霊を注ぐ店主の姿勢は、そのまま料理の完成度へと直結している。自分の足で探し当てた一軒で味わう飯は、画面越しに探した人気店のそれよりも深く記憶に刻まれる。