話題の校正者・牟田都子とは?『文にあたる』の背景とプロの思考法

話題の校正者・牟田都子とは?『文にあたる』の背景とプロの思考法

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出版物における校正・校閲の仕事内容は、誤字や脱字、衍字(えんじ)のチェックだけにとどまりません。人名や地名、歴史的事実、引用元の正確性を確認するファクトチェック、差別的表現の有無、論理展開の整合性に至るまで、極めて多岐にわたる検証が求められます。

牟田氏の仕事における最大の特徴は、徹底的な下調べに基づきながらも、決して「自分の正義」を押し付けない姿勢にあります。彼女が現場で意識しているプロとしてのこだわりは、以下の点に集約されます。

  • 徹底的なレファレンス:ネットの情報だけで完結させず、図書館や古書店に足を運び、原典や一次資料に必ずあたる。
  • 「疑問出し」の作法:赤字で一方的に直すのではなく、著者の文体や意図を尊重した上で、丁寧な問いかけとして鉛筆で疑問を提示する。
  • 読者への架け橋:著者が伝えたいメッセージが、ノイズなく読者に届くための「最も贅沢な最初の読者」として原稿を読む。

ミスをゼロにする緊張感と隣り合わせの中で、文章をより輝かせるための黒衣に徹する。このストイックかつ温かなアプローチこそが、多くの作家や編集者から「牟田さんに読んでほしい」と指名される所以です。

田中 結衣
著者

田中 結衣

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。