木村多江に続く存在として確固たる地位を築いたのが松本若菜です。端正でクールな美貌を持ちながら、長い下積み時代を経て花開いた彼女のキャリアは、実力派としての説得力に満ちています。
ドラマ『やんごとなき一族』での苛烈な演技で一世を風靡し、主演作『復讐の未亡人』では妖艶さと深い哀愁を併せ持つ難役を怪演。以降も主演ドラマが相次ぎ、悲哀を帯びたミステリアスな役柄からコミカルな役まで変幻自在に演じ分けています。遅咲きと言われた彼女のブレイク経緯は、単に容姿の美しさだけでなく、酸いも甘いも噛み分けた人生経験が醸し出す「陰影」がスクリーンに投影されているからに他なりません。
また、奈緒や門脇麦、黒木華といった面々も、どこか日常に潜む寂しさや不穏さをリアルに体現できる名手として、映画賞やドラマの主役・助演で欠かせない存在となっています。