秋や冬のジビエと並び、夏の名物として高い人気を誇るのが、清流葛川の恩恵を一身に受けた「鮎料理」だ。炭火の遠赤外線でじっくりと焼き上げられた若鮎は、頭から骨まで丸ごと味わうことができる。皮目の香ばしさと、ふっくらとした身の旨味、そして内臓のかすかな苦味が絶妙な対比を描く。
単に焼くだけにとどまらない。焼き加減、塩の打ち方、火の遠近まで、全て計算し尽くされた職人技が光る。塩焼きのほか、涼やかな刺身や甘露煮など、多彩な仕立てで提供される鮎の姿は美しく、夏の訪れを舌で実感させてくれる。清らかな水の流れと澄んだ風を思わせる味わいに、訪れた者は静かに唸るしかない。