「週末、わざわざ往復4時間かけてでも食べる価値がある」。そう語るのは、都内のIT企業に勤める30代男性だ。朝一番の電車に乗り込み、港町の食堂でまだピチピチと跳ねるような刺身と香ばしいカマ焼きを味わう。この「旅・料理」を組み合わせた小旅行が、現代人の心身を解きほぐす最高のデトックスとして定着した。
SNS上では、ハッシュタグと共に全国各地の隠れた名店情報がリアルタイムでシェアされる。「今日はハタハタの煮付けが最高だった」「金目鯛のヅケ丼が絶品」といった生の声が、さらなる訪問者を呼び込む循環を生んでいる。工業化・規格化された都市の食生活に対するアンチテーゼとして、不揃いゆえに愛おしい地魚の味わいが選ばれているのだ。