なぜ具がきゅうりだけ?英国貴族の富の象徴とプロ直伝の神レシピ

なぜ具がきゅうりだけ?英国貴族の富の象徴とプロ直伝の神レシピ

なぜ具がきゅうりだけ?英国貴族の富の象徴とプロ直伝の神レシピの重要なポイントについて、分かりやすい解説を取りまとめてご紹介します。

アフタヌーンティーの銀製スタンドの最下段に、必ずと言ってよいほど鎮座しているのがきゅうりのサンドイッチです。現代の感覚では「安価な野菜の軽食」に映りますが、19世紀ビクトリア朝のイギリスにおいて、きゅうりは極めて贅沢なステータスシンボルでした。

当時のイギリスの冷涼な気候では、水分が多く寒さに弱いきゅうりを露地栽培することは困難でした。冬や早春にきゅうりを育てるには、ガラス張りの温室(温室設備)を建て、高価な石炭を燃やし続けて室温を保ち、熟練の庭師を雇う必要があったのです。つまり、客人に新鮮な生のきゅうりを振る舞う行為そのものが、「私にはこれほど贅沢な温室と燃料を維持する財力がある」という無言の誇示でした。

さらに見逃せないのが、当時の労働環境と身体性の関係です。肉体労働に従事する労働者階級は、過酷な1日を生き抜くために肉やチーズなどの高カロリーな食事を必要としていました。一方で、汗を流して働く必要のない上流階級のきゅうりのサンドイッチ イギリス貴族文化においては、「栄養価がほとんどなく、水分と香りを味わうだけの贅沢品」を午後に口にすることこそが、有閑階級である証となったのです。これが、現代にも続くアフタヌーンティー きゅうり 理由の真実です。

清水 千尋
著者

清水 千尋

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。