危機に瀕するアオウミガメの今 温暖化とゴミが脅かす未来の真相

危機に瀕するアオウミガメの今 温暖化とゴミが脅かす未来の真相

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熱風が吹き抜ける砂浜で、研究者が温度計の数値を二度見した。砂中の温度が上昇し続けることで、ウミガメの生殖生態に致命的な偏りが生じている。アオウミガメの性別は遺伝ではなく、卵が埋められた砂の温度によって決まる。臨界点を超える高温が続くと、孵化する稚ガメのほぼすべてが雌になってしまうのだ。

日本国内で有数の繁殖地として知られる小笠原諸島でも、この環境異変の影響は顕著だ。現地で長年保全活動に携わる研究者は「雄がほとんど生まれない砂浜が増えている。数世代後に繁殖自体が不可能になるリスクがある」と唇を噛む。単に個体数が減るだけでなく、遺伝的な連続性が断ち切られようとしている恐怖。環境保護・海洋保全の最前線で起きているのは、目に見えにくい緩やかな絶滅の足音だ。

中村 さくら
著者

中村 さくら

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。