一方、物語のキーマンである壬氏を演じる大塚剛央の存在感も際立っている。甘く華やかな声質で周囲を魅了する「美貌の宦官」としての表の顔と、時に冷酷な政治家としての鋭さを見せる裏の顔。大塚はこの難解な二面性を、声の響きと間(ま)のコントロールだけで見事に表現してみせた。
収録当初、大塚は壬氏という人物の掴みどころのなさに葛藤したと語る。しかし、猫猫とのやり取りを重ねる中で「猫猫にだけ見せる甘えや焦燥感」の表現を模索。結果として、妖艶さと幼さが同居する唯一無二のキャラクター像を作り上げた。声優業界内でも「大塚剛央の繊細な声のグラデーションが素晴らしい」と高い評価が寄せられている。