現在市販されている成長サポート系サプリメントに配合されている代表的な成分を精査すると、それぞれに本来の役割はあるものの、「身長を伸ばす特効薬」とは呼べない実態が浮かび上がる。
アルギニンはアミノ酸の一種で、点滴投与によって成長ホルモンの分泌刺激試験に用いられることがある。しかし、経口摂取で骨伸長に十分なホルモン分泌が継続して促されるという臨床データは乏しい。胃腸への刺激が強く、大量摂取による下痢や腹痛のリスクも指摘されている。
カルシウムは骨の「硬さ・密度」を保つための必須ミネラルだが、骨の「長さ」を伸ばす牽引役ではない。不足すれば骨粗鬆症の原因になるが、過剰に摂取したからといって背が高くなるわけではないのだ。
亜鉛はタンパク質合成や細胞分裂に欠かせない微量栄養素であり、極度の欠乏状態では成長障害が起きることが知られている。しかし、通常の食事で充足している状態からさらにサプリメントで上乗せしたとしても、身長の伸びが加速する証拠はない。
卵黄由来のペプチドであるボーンペップも骨代謝を助ける素材として注目を集めるが、機能性表示食品として届け出が出されているものを含め、ヒトを対象とした大規模な無作為化比較試験で「身長伸長効果」が立証された事例は見当たらない。