黒いスーツにサングラス、そして手元にはニューラライザー。『メン・イン・ブラック』で世界中を魅了したあの瞬間、ハリウッドのパワーバランスは完全に塗り替えられた。それまでのSFアクション映画にありがちだった重苦しさを吹き飛ばし、軽妙なユーモアと圧倒的なフィジカルで映画界の頂点へと駆け上がったのだ。
あの頃放っていた無邪気なスター性は、年齢を重ねた現在、円熟味を帯びた深みへと進化を遂げた。異星人相手に飄々とジョークを飛ばしていた青年は、傷を負いながらも前進するタフなベテランへと変貌した。過去の栄光にすがるのではなく、それを踏台にして自らを更新し続ける姿勢は驚異的ですらある。