近年、歴史ファンやルーツ探求者の間で長氏への注目がにわかに高まっている背景には、映像メディアの影響も大きい。大河ドラマ『どうする家康』をはじめとする近年の歴史大作群は、中央の天下人だけでなく、激動の時代に領地と民を守るため奔走した地方領主たちの人間臭いリアリズムを鮮やかに描き出してきた。
NHKオンデマンドでの過去作アーカイブ配信や、Netflixで世界配信される本格歴史ドキュメンタリーの隆盛により、視聴者はかつてないほど手軽に中世の敗者復活劇や一族興亡の記録にアクセスできるようになった。名もなき武将が主家滅亡の危機からいかにして血脈を繋いだかというテーマは、現代の視聴者にとっても強烈な共感を呼ぶ。
画面越しに描かれる戦乱のリアリティに触れた人々が、「自分の苗字の先祖はあの合戦のとき、どこで何をしていたのか」と自身のルーツへ関心を向ける現象は、まさに現代ならではのカルチャーと言えるだろう。