「日本一の美男」という異名——。初めて耳にする者は半信半疑かもしれない。しかし、大仏の前に立ち、そのすっと通った鼻すじや優美に切れ上がった目元を見上げれば、誰もが納得せざるを得ない。明治から昭和初期にかけて活躍した彫刻家、中野双山の手によって原型が制作されたこの大仏は、仏教美術における写実性と美しさを極限まで追求した傑作だ。
この造形美を裏支えしているのが、400年以上の歴史を誇る伝統工芸、高岡銅器鋳物産業の技術力である。木造大仏が相次ぐ火災で焼失した過去を受け、地元の職人たちは「二度と燃えない金属の大仏を」と立ち上がった。30年以上の歳月をかけて完成させた青銅製大仏は、地元の熱意と鋳物技術の粋が集約された結晶と言える。