音楽が持つ圧倒的なエネルギーに引き込まれた少年は、地元の幼稚園時代からの幼馴染であったToshlとともに音の実験を始めた。小中学校時代を経て、千葉県立安房高等学校へと進学した二人は、周囲の目もはばからずバンド活動に没頭する。「NOISE」から「X」へと名を変えながら、彼らは館山の文化会館や地元のスタジオでひたすら音を鳴らし続けた。
当時の館山を知る関係者は、放課後の音楽室や練習場から聞こえていた爆音を今でも覚えている。やがて彼らは、従来のロックの概念を覆すヴィジュアル系という巨大なムーブメントを創出していくことになる。地方都市の高校生だった二人が描いた夢は、まさにこの潮風の街から世界へと解き放たれたのだ。