彼が世に送り出した数々の書籍は、当時の出版業界に新しい風を吹き込んだ。著書『生活はアート』は、日常のあらゆる振る舞いや空間づくりが自分自身を表現する芸術活動になり得ることを示し、ライフスタイル本というジャンルを確立させた記念碑的作品である。
続いて発表された著書『カフェ・ジュリアン』もまた、カフェという空間を通じて人が集い、対話し、豊かな時間を紡ぐカルチャーを日本に根付かせる大きな契機となった。エッセイ・自己啓発の要素を多分に含んだこれらのベストセラーは、自己表現を模索していた当時の読者にとって、まさに暗闇を照らす道標となったのだ。