忠志のキャリアは、最初からお笑いの世界にあったわけではありません。玉川大学で演劇を専攻したのち、青年座演劇研究所などを経て本格派の舞台・映像俳優として芸能生活をスタートさせました。
トレンディドラマや時代劇『水戸黄門』をはじめ、2004年に社会現象となった昼ドラの名作『牡丹と薔薇』など、数多くのテレビドラマに出演。正統派の二枚目俳優や癖のある役柄を見事に演じ分け、着実にキャリアを積み重ねていました。
そんな彼が大きな転機を迎えたのが、2009年、41歳のときです。「生の舞台でお客様に直接笑いを届けたい」という強い情熱から、長年所属した事務所を離れ、吉本新喜劇への入団を決断。大物二世であり芸歴20年を超えるベテラン俳優が、40代にして「新人座員」として劇団の最下層から雑用や裏方をこなす姿は、大きな驚きとともに業界内で大きな話題を呼びました。
プライドを完全に捨て、一から泥臭く喜劇の技術を学んだこの覚悟こそが、現在の揺るぎないポジションを築く決定打となりました。