デジタル配信の利便性が極限まで高まる一方で、リアルの現場に対する熱狂も劇的な復活を遂げています。その中心にあるのが、東京ビッグサイトで開催される世界最大の同人誌即売会「コミックマーケット(コミケ)」です。
二次元同人誌のコミケ即売会情報を追うと、デジタル化やペーパーレス化が叫ばれる時代だからこそ、「作家と直接言葉を交わし、手渡しで本を受け取る」という身体的体験にプレミアムな価値が見出されています。近年の開催データを見ても、サークル参加数・一般来場者数ともに高水準を維持しており、会場限定の豪華装丁本やノベルティを求めて徹夜を排した秩序ある待機列が形成されています。
また、リアル店舗の役割も変化しました。メロンブックスをはじめとする同人ショップ各店舗は、単なる在庫置き場ではなく「文化の発信拠点」「ギャラリー空間」としての側面を強化しています。美麗なポスター掲示やサークル別の特設コーナー、サイン本展示など、ネット通販では味わえない「偶然の作品との出会い(セレンディピティ)」を提供する場として、実店舗は今なお代えがたい熱量を放ち続けています。