キャスト陣のアンサンブルも見逃せない。主演を務めた吹石一恵は、純朴な女子高生からアイデンティティを失った虚構の娘へと変貌していく紀子の葛藤を見事に体現した。さらに、レンタル家族ビジネスを取り仕切るクミコ役には、独特の退廃美と危険な色気を放つつぐみがキャスティングされ、作品全体に不穏な影を落としている。
この強烈な個性派女優たちの間に割り込み、一歩も引かない存在感を見せつけたのが吉高由里子だった。感情を完全にコントロールしているかのような冷徹な微笑みと、ふとした瞬間に漏れ出る少女の脆さ。姉妹役としての吹石との対峙は、観る者に息を呑むような緊迫感を突きつける。